アレルギー
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原著
当科におけるHelicobacter pylori除菌療法による薬疹の検討
山本 容子大原 裕士郎西崎 絵里奈細本 宜士吉岡 希村本 睦子磯貝 理恵子山田 秀和
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2018 年 67 巻 8 号 p. 1020-1026

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抄録

【目的・方法】本邦では保険適応の拡大に伴い,Helicobacter pylori(HP)除菌療法をうける患者が増加している.このためにHP除菌療法の薬疹が増加している.今回,我々は平成20年4月~平成28年3月までにHP除菌療法後に皮疹が出現し,当科を受診した28例について検討した.

【結果・考察】男性7例・女性21例であり,女性に多くみられた.内服開始から皮疹出現までの平均日数7.6日であった.DLSTを施行していたのは10例で,アモキシシリンが6例で陽性で一番多かった.以前から感作が成立していたと考えられる群では,全例でステロイド全身投与が必要であったが,HP除菌療法中に感作されたと考えられる群では,ステロイド外用薬のみで軽快した症例もあった.

【結語】ペニシリン系抗菌剤は長い年月にわたって使用されていた薬剤であり,気が付かないうちに感作が成立している可能性がある.今回の検討では以前から感作が成立していたと考えられる群は全例でステロイド全身投与が必要であり,注意が必要である.

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© 2018 日本アレルギー学会
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