アレルギー
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症例報告
山麓への転居後に発症した花粉食物アレルギー症候群の5歳例
―自宅庭での1年間の花粉カウントから―
増本 夏子手塚 純一郎名西 真希子松﨑 寛司中山 秀樹児塔 栄子岸川 禮子
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ジャーナル 認証あり

2018 年 67 巻 8 号 p. 1027-1032

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抄録

症例は8歳男児.乳児期アトピー性皮膚炎あり.4歳時に山麓の戸建に転居.5歳時にスギ花粉症を発症.同年3月より大豆,リンゴなど多種の食物で口腔内症状や嗄声,咳嗽を呈するようになった.Bet v1および症状を呈する食品のpathogenesis-related protein-10(PR-10)への感作を認め,花粉食物アレルギー症候群Pollen Food Allergy Syndrome(PFAS)と診断.花粉と食物の関連を調査するため,男児宅の花粉飛散量を1年間観測し,3カ月毎に男児の花粉,食物特異的IgE抗体価を測定した.男児宅ではスギ・ヒノキ他多数の花粉が観測され,福岡市と比較し最大飛散量,年間総飛散量ともに多かった.ハンノキ花粉は検出されず,同じブナ目であるコナラ花粉の飛散後ハンノキ,コナラ,Bet v1,食物PR-10の抗体価上昇を認め,関与が考えられた.幼児期のPFAS報告例は少なく,患児宅で通年連日花粉カウントを行いコナラ花粉への大量曝露が発症に関与したと推測された5歳例を報告する.

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© 2018 日本アレルギー学会
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