2020 年 69 巻 3 号 p. 204-208
福島県郡山市在住の5歳女児.3月下旬から咳嗽を認めていた.4月中旬に咳嗽の増悪と38℃台の発熱,胸部X線上スリガラス陰影を認め,入院の上抗生剤治療を行った.第2病日には解熱し,徐々に呼吸器症状も改善したため第7病日に退院した.第8病日に症状の再燃を認め,第16病日に増悪したため再入院した.胸部CT上間質陰影の増強を認め,過敏性肺炎を疑いステロイド治療を開始した.症状は速やかに改善し,第21病日にステロイド治療を中止,第22病日に退院した.入院時の抗Trichosporon asahii抗体は陽性であり,夏型過敏性肺炎と診断した.問診から住宅は築8年の木造家屋で,カビの生えた加湿器を使用していたこと,築57年の木造家屋である祖母宅へ週1-4日程度訪問していたことがわかった.加湿器を使用しないことと,祖母宅への訪問を控えるように指導したところ,症状の再燃はなかった.祖母宅の環境調査と環境誘発試験を行ったところ陰性であり,加湿器が発症環境であった可能性が示唆された.HLAの検索では,夏型過敏性肺炎の発症に関与するとされるHLA-DQ8を保有していた.