農林業問題研究
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戦後日本農地価格の変動要因分析
Bits of Information Measure によるアプローチ
陳 建宏戴 錦周
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2004 年 40 巻 1 号 p. 36-47

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抄録

本論文は Bits of Information Measure を応用し, 農業所得, 金利, 物価上昇率, 農業依存度, 経営面積などの農地価格変動要因を分析することを目的とするものである, 従来の回帰分析とは違い, Bits of Information Measure の分析により, 各変数の提供された情報量を計算され, その重要さを比較することが可能となる.
実証結果によれば, 戦後日本農地価格の変動要因について, 1962~75年にかけて殆どの都道府県では, 農業所得が最も重要な要因となっている. つづく要因は金利と物価上昇率である. しかし, 1975年以降, 農地価格変動の最も重要な要因は農業依存度 (地域の商業化や都市化の程度の代理変数) であった. 一方, 各地域の IIAR (Information Inequality Across Regressors) によると, 1962~75年にかけて, 近畿, 四国地域では, Bits of Information の分布の相違は大きく, 九州と東北地域は小さくなっている. しかし, 1975年以降, 近畿, 東北地域では, Bits of Information の分布の相違は大きく, 中国と東海地域は小さいことが分かった.

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© 地域農林経済学会
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