2015 年 27 巻 p. 40-44
【目的】本研究の目的は,片脚膝立ち位保持におけるバランス制御機構を検討するため、COG変動およびCOP変動と下腿回旋運動との関係を明らかにすることとした。
【方法】対象は,健常成人28名とした。測定課題は軸足での開眼片脚膝立ち位保持とした。測定機器には三次元動作解析装置および床反力計を用い,サンプリング周波数を150Hzとした。データ解析では,各マーカーの座標データから体重心および軸足下腿回旋角度を,床反力データから圧中心を求めた。さらに,保持が安定しているデータを切り出し平均パワー周波数(MPF)を算出した。
【結果・結語】MPFは体重心で0.4±0.2Hz,圧中心で2.1±0.3Hz,下腿回旋においては0.9±0.2Hzであった。一方,下腿回旋角度の変動成分は複数のピークを示し,体重心および圧中心の各々のピークと重なった。体重心変動では低周波数成分のパワーが強いことを考慮すると,下腿回旋が基本的には圧中心制御に関与しているものと考えられた。