2016 年 28 巻 p. 61-66
【目的】本研究では,股関節の屈曲角度の変化に伴う股関節外旋筋(外旋筋)の筋力と筋活動を明らかにすることを目的とした。
【方法】対象は健常成人男性30名とした。股関節屈曲角度条件は0度から15度毎に90度までの計7条件とし,各条件での最大等尺性外旋筋力と表面筋電図による筋活動を記録した。被験筋は中殿筋,大殿筋上部線維,下部線維,大腿二頭筋とし,各条件での筋力と各筋の筋活動をそれぞれ比較した。
【結果】筋力は45度が最大となり,中間角度での増加が認められ,筋活動は中殿筋が有意差なし,大殿筋上部線維,下部線維が0度で最大,大腿二頭筋が筋力と同様に中間角度で筋活動量増加を認めた。
【結論】外旋筋力と筋活動の関係により,中殿筋,大殿筋は本研究における外旋運動への寄与が小さいと考えられた。一方,大腿二頭筋は外旋筋力と同様の筋活動を示したが,直接的な外旋作用よりも膝関節固定ために活動が増大した可能性が示唆された。