2017 年 29 巻 p. 102-105
リング型創外固定術後の理学療法は,踵骨へのワイヤー刺入部痛が荷重や歩行を妨げる一因となる。我々はこの痛みを解決する新しい足底装具を考案し,その効果を検討した。対象は,足関節周辺の障害に対して創外固定術を施行した患者7例であった。我々が考案した足底装具は,尖足予防ベルト,ロッカーボトム, ワイヤー刺入部下方の側壁のみ削るという構造であった。裸足と装具の2条件で疼痛評価テスト(NRS)と荷重率(最大荷重量/体重),10m歩行時間を計測した。結果は,NRSや荷重率,10m歩行時間の全ての項 目で装具群が裸足群より有意に改善した。本研究で用いた足底装具は,踵部脂肪体の形状維持に寄与し,荷重痛を軽減させた可能性がある。今回作製した新しい足底装具は,創外固定の最大の利点である早期荷重や歩行を獲得させた。