2017 年 29 巻 p. 28-32
【目的】本研究の目的は,健常成人における立位から長座位への着座動作の所要時間および運動パターンについて明らかにすることとした。
【対象】健常若年者71名(年齢19.2±0.4歳)。
【方法】至適速度での着座動作を矢状面および前額面の2方向からビデオカメラにて測定後,運動パターンを分類した。所要時間の計測はストップウォッチを使用し,一人の対象者につき着座動作を2施行実施した。
【結果】所要時間は,平均3.0±0.5秒であり,対称性後方リーチ-非回旋-対称性パターンと非対称後方リーチ-部分回旋-対称性パターンの所要時間に有意差が確認された(p<0.01)。運動パターンは,非対称後方リーチ-部分回旋-対称性パターンが最も多く選択された(49.3%)。また,性別と運動パターンに有意な関連性が確認された(p<0.01)。
【結語】重力方向への運動であっても,エネルギーコストを最小にするべく対称性の運動パターンをとることが考えられた。