東北理学療法学
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研究論文
脳卒中片麻痺者の上肢を用いた立ち上がり方法の違いによる運動学的分析
高橋 純平西山 徹
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2018 年 30 巻 p. 34-38

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抄録

本研究の目的は,脳卒中片麻痺者における上肢を用いた立ち上がり動作中の関節角度が,立ち上がり方法の違いによってどのような特徴を示すか矢状面上より分析し,身体特徴が動作に影響を与えるかどうかを 明らかにすることである。脳卒中片麻痺者21名を対象に,椅子からの立ち上がりが可能な最大レベルの動作(上肢支持なしの立ち上がり動作,Push動作,Pull動作)中の,体幹ならびに下腿の最大傾斜角度を算 出し,動作間で比較検討をした。その結果,最大体幹前傾角度,最大下腿傾斜角度ともに,上肢支持なし群 とPush動作群間に有意差は認められなかったが,Pull群は他の2群間と比較し有意に小さかった。このことから,上肢支持なしの立ち上がり動作とPush動作は,しっかりと体幹前傾を行った動作であるのに対し,Pull群では手すりを引くことによって,動作初期から上体を前上方にもっていく動作であったと考える。

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© 2018 公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
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