東北理学療法学
Online ISSN : 2189-5686
Print ISSN : 0915-2180
ISSN-L : 2189-5686
研究論文
高齢心不全患者における入院関連機能障害重症度の関連因子の検討
横田 純一鈴木 彪流髙橋 蓮
著者情報
ジャーナル 認証あり

2024 年 36 巻 p. 50-57

詳細
抄録

【目的】高齢心不全患者における入院関連機能障害(HAD)重症度の関連因子を明らかにする。

【方法】後ろ向き観察研究とした。入院中に,心臓リハビリテーションを実施し,退院時にHADを認めた心不全患者連続111症例(年齢83歳,女性63%)を対象とした。Barthel Index(BI)を下位項目ごとに調査し,退院時に入院前より得点が5点以上低下した下位項目数をHAD重症度(範囲:1-10),HAD 重症度が2以上であることを,multiple-HAD(m -HAD)と定義した。まず,基本特性,Short Physical Performance Battery(SPPB),Mini-Mental State Examination(MMSE),栄養状態を独立変数としてHAD重症度の関連因子を,次に,独立変数をBI下位項目の機能的自立度としてm-HADの関連因子を解析した。

【結果】HAD重症度およびm-HADの関連因子はそれぞれ,SPPB(β=-0.254)およびMMSE(β=-0.237)と食事(オッズ比:2.766)および排尿コントロール(オッズ比:3.296)の非自立であった。

【結論】高齢心不全患者におけるHAD重症度の関連因子はSPPBおよびMMSEであり,m-HADと関連するBI下位項目は食事と排泄コントロールであった。

著者関連情報
© 公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
前の記事 次の記事
feedback
Top