東京大学理学部人類学教室
1992 年 100 巻 4 号 p. 449-483
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群馬県,岩津保洞窟遺跡出土の弥生時代中期前半に属する人骨群について,観察及び計測を行い,同時に縄文人,北部九州弥生人,古墳人,現代和人との比較分析を行なった。本人骨群は,関東地方内陸部出土の保存良好な弥生時代人骨としては初めてのものである。比較的完全な熟年女性2体には,頭骨及び体肢骨に縄文人的特徴が強く認められ,両個体とも縄文時代人の直接の子孫であると考えられる。しかし一方で,両個体とも推定身長が高く,かつ四肢骨が太いという点において,比較に用いた縄文人とは多少異なるようである。
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