人類學雜誌
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骨形態の遺伝性および環境効果に関する計測的研究I:金関家および他の家系骨格資料における類似性の分析
土肥 直美
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1991 年 99 巻 4 号 p. 437-462

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抄録

金関家骨格資料について,形態学的調査を行なった。次に,骨形態に表れる遺伝的効果と環境効果の関係を知るために,他の家系および非血縁者集団とともに多変量解析法を用いて分析した。その結果,遺伝的効果はこれまであまり研究されていなかった四肢長骨においても,特にその骨端部にかなり強く表れることが明らかになった。環境効果は社会的階級および時代の差として検出され,それぞれ主として骨の太さと長さに関係していた。社会的階級の差による環境効果は前腕と下腿に強く表れており,労働の量等に関連すると考えられた。時代の差は下肢骨に強く表れる傾向が認められ,食性や衛生環境等の生活条件と関連すると考えられた。

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