Anthropological Science (Japanese Series)
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原著論文
解剖学的方法による縄文人の身長推定と比下肢長の検討
佐伯 史子
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2006 年 114 巻 1 号 p. 17-33

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抄録

縄文人の身長および身長と下肢長のプロポーションを明らかにすることを目的として,男女各10体の交連骨格を復元し,解剖学的方法(anatomical method)を用いて身長と比下肢長を求めた。現代のアジア集団,オーストラリア先住民,ヨーロッパ集団,アフリカ集団の生体計測値と比較した結果,縄文人の身長は男女とも現代のオーストラリア先住民,ヨーロッパ集団,アフリカ集団よりも低く,東アジア集団に近い値を示した。縄文人の比下肢長もオーストラリア先住民,ヨーロッパ集団,アフリカ集団に比べて小さかったが,東アジア集団の中ではやや大きく,特にアイヌと近い値を示した。縄文人の比下肢長が東アジア集団の中では比較的高い値であったことに鑑みると,縄文人と典型的なモンゴロイドとは異なるプロポーションを有する集団との関係を想定する必要も考えられた。

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© 2006 日本人類学会
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