抄録
苫小牧市の幌内川において, アシナガグモ3種の生態を調べた。アシナガグモとヤサガタアシナガグモはおもに上流の森林地域に, ミドリアシナガグモはおもに下流の市街地域に分布していた。前二者の分布はかなり重なっているが, アシナガグモはヤサガタアシナガグモよりもやや上流に分布していた。両者の共存域では, アシナガグモはヤサガタアシナガグモより高いところに造網する例が多かった。ヤサガタアシナガグモとミドリアシナガグモの共存域では, 両者の造網の高さの平均は殆ど変わらないが, 後者では水面のすぐ上での造網が多く見られた。アシナガグモとヤサガタアシナガグモの共存域では, 両者の造網足場および餌のかかり方に違いがみられた。3種の生態の違いが, 共存にどのようにかかわっているかについて考察した。