1992 年 41 巻 2 号 p. 215-222
タイリクサクグモの齢判定法の基準を明らかにするため, 中眼域の後辺, 眼域の幅, 背甲の幅の3つの体サイズと齢との関係を, 野外での観察および3つの異なる餌条件下での室内飼育によって調べた. その結果, 眼域と背甲の幅ではバラツキが生じたのに対し, 中眼域の後辺の幅は齢が進むに従い0.03mm の勾配で直線的に増加し, 各齢間での重なりはほとんどみられなかった. この調査の結果から齢は野外でみられる餌条件においても中眼域の後辺の幅を指標とすることでほぼ正確に判定出来ることが示唆された.