Acta Arachnologica
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飼育下におけるミズグモの活動の時間配分
桝元 敏也桝元 智子吉田 真西川 喜朗
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1998 年 47 巻 2 号 p. 125-131

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抄録
ミズグモ Argyroneta aquatica は水中で生活する唯一のクモである. 我々は飼育しているミズグモの一日の行動時間配分と生活史に関する観察を行った. 雄は8月中に死亡したが, 雌は翌年まで生存し3, 4個の卵嚢を生涯に産卵した. ミズグモの雌は産卵後, 卵嚢を保護した. 幼体は孵化後約3日後に卵嚢から出てバルーニングではなく, 泳いで分散した. 幼体は翌年の春には成体になった. ミズグモは年1化で生活史を完結するとみられる. クモの活動はビデオに記録し解析を行った. 幼体と成体雌の活動はほとんど夜間に行われた. また, ドーム内でじっとしている時間が長く, 活動している時間は総時間の数パーセント以下であった. 一方, 成体雄は日中も活発に活動した.
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