2023 年 3 巻 4 号 論文ID: SC-2023-23
我々は人と機械との円滑な対話の実現のために、パラ言語的メッセージを取り扱える対話システムの実現を目指している。現在、ユーザがシステムを制御するために必須と考える4 種類の韻律的態度(肯定・否定・疑問・考え中)の認識モデルを開発している。本稿では、はじめに、読み上げられた音声(演技音声)と日常会話音声のコーパスを比較して、これらの韻律的態度の音響的特徴がどのように異なるかを観察する。続いて、読み上げ音声で訓練したモデルでは認識困難な韻律的態度のパターンを明らかにし、日本語日常会話コーパスを使ったモデルの追加訓練によってこれらのパターンに対する認識率が改善したことを報告する。