2024 年 4 巻 1 号 論文ID: SC-2024-11
人工内耳での音楽のきこえや楽しみ方を調査し,それらに関係する要因を検討する目的で,質問紙調査を行った.この結果,102名から回答が得られ,多くの人が人工内耳装用後も音楽を楽しんでいる実態が明らかになった.また,時系列的変化を調査したところ,音楽を聴くことの好ましさは聴力の低下に伴って減少するが,人工内耳装用後は裸耳のときと同程度まで好ましさが回復することが判明した.さらに,年齢が高くなるほど,音質や音楽に対する評価が低くなる傾向が見られたが,人工内耳で音楽を聴く練習を行うことで,音楽知覚が改善する可能性も示唆された.今後は,主観的な楽しさの向上に焦点を当てて研究を行う必要があると考える.