AUDIOLOGY JAPAN
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「人工内耳装用児の就学後の問題点と対策」「後迷路性難聴」
難聴児における低出生時体重児の占める割合およびその言語発達に関する検討
西尾 信哉岩崎 聡宇佐美 真一笠井 紀夫福島 邦博
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2012 年 55 巻 2 号 p. 146-151

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抄録
従来より, 低出生体重が難聴のリスクファクターであることが報告されているが日本語言語発達に及ぼす影響ついて大規模に検討を行った報告は少ない状況である。本研究では難聴児の出生時体重とその言語発達に関して詳細に検討を行った結果, 言語習得期前の高度難聴児627名中に占める低出生体重児は89名 (14.2%) であった。通常出生体重難聴児と比較して, 低出生体重難聴児では語彙レベルの検査結果には差を認めないものの, 構文レベルでは有意に得点が低いことが明らかとなった。また, コミュニケーション能力を評価する質問—応答関係検査では低出生体重児群のほうが有意に低得点であった。また, レーヴン色彩マトリックス検査の得点は有意差を認めなかったが, 広汎性発達障害日本自閉症協会評定尺度 (現在得点) では有意差を認め, 低出生体重難聴児の特徴として通常出生体重の児よりも広汎性発達障害を合併する児が多い可能性が考えられた。
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© 2012 日本聴覚医学会
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