リアルタイムで情報が双方向性に交錯し, 人々のコミュニケーションがこの最新情報をもとになされることが多くなった。
老若男女を問わずそのQuality of Lifeはコミュニケーションの内容の充実度により大きく左右される。
本稿では, 聴覚障害者が受ける可能性のあるハンディキャップについて考え聴覚障害者のバリアフリーに寄与する具体的な可能性を論じ, 聴覚障害を専門分野とする我々が臨床の場で行ないうる難聴者のバリアフリー獲得に寄与しうる実際的な方法の一端について論ずる。また, 東日本大震災における聴覚障害者の問題点にも触れてみたい。
高齢化社会で増加している聴覚障害者のQOLを高めるよう努力することが我々にとりさらに大きな課題となっている。
補聴器や人工内耳などの純粋な医療機器以外のいわゆる “補聴支援機器” について適格な情報を共有し, 臨床の場で役立てることが望まれる。