AUDIOLOGY JAPAN
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原著
聴覚障害児の補聴時の語音検査に関する調査研究
—全国聾学校へのアンケートから—
中瀬 浩一大沼 直紀
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キーワード: 語音検査, 聾学校, 補聴
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2012 年 55 巻 6 号 p. 662-668

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抄録

幼稚部および小学部が設置されている聾学校86校 (東日本大震災の影響を考慮し, 東北地区の聾学校14校を除く) を対象に補聴時の語音検査の実施状況についてのアンケート調査を実施した。74%の学校から回答が寄せられた。
語音検査の実施率は, 主に “4~5歳児” 段階で78%, “小学部低学年” 段階で83%であった。語音検査の内容としては, 幼稚部段階では単語了解度検査を, 小学部以降は語音明瞭度の測定を中心にしつつ, 単語了解度検査と単音節の受聴明瞭度検査を適宜組み合わせて実施していた。
実施上の課題として, 子どもの実態に適した語音検査の選択の方法について悩みが見られた。どのような語音検査を選択していけば効果的に子どもの聴取状況を把握し教育に活かす指標を得ることができるのかが大きな課題として感じているようである。
今後は, 教育活動の一環として語音検査を実施する際の留意事項として日常の指導に活かすための語音検査の実施方法や結果の読み取り, 保護者や担任教員への開設や教育活動への組み入れ方など, 指導や支援に結びつく視点が必要と考えられる。

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© 2012 日本聴覚医学会
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