AUDIOLOGY JAPAN
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「小児難聴者に対する個別化医療と支援」
宮崎県における難聴児療育体制の検討
―「難聴支援センター」の構築と実績―
白根 美帆牛迫 泰明永野 由起池ノ上 あゆみ山本 麻代近藤 香菜子後藤 隆史東野 哲也
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2013 年 56 巻 2 号 p. 178-185

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抄録

宮崎大学医学部附属病院「難聴支援センター」は,難聴児・者の聴覚言語機能支援を行う一診療部門である。本センターは,小児については「新生児聴覚スクリーニングセンター」から紹介されるすべての難聴児を対象に,難聴の確定診断後から迅速に療育的介入を行うことを目的として設置された。
宮崎県では,「新生児聴覚スクリーニングセンター」が宮崎県内の産科医療機関,周産母子センター,小児科医療機関,各市町村保健所など多機関と連携することで,スクリーニングrefer 判定児とともに,スクリーニング未受検児や後天性難聴児も発見し療育へつなげるシステムを構築した。このシステムにより,2010年から2011年に,161名の難聴疑い児を精密検査機関へ紹介した。そして両側難聴と確定診断された29名全例に「難聴支援センター」で療育を開始することができた。「難聴支援センター」を中心とした宮崎県の難聴児支援システムは,乳児期から学齢期に亘る難聴支援の一モデルと考え,その概要を報告した。

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© 2013 日本聴覚医学会
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