AUDIOLOGY JAPAN
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原著
新生児聴覚スクリーニングから診断された難聴児への介入時期の検討
鶴岡 弘美石川 和代臼井 智子増田 佐和子
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2015 年 58 巻 6 号 p. 630-637

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抄録

要旨: 2000年~2013年に新生児聴覚スクリーニングで refer となり, 当科での精査の結果, 最終的に両側難聴と診断された79名を対象とし, 難聴の程度と初診, 診断, 介入, 補聴器装用時の月齢について比較検討した。 難聴の程度と人数は, 軽度難聴3名, 中等度難聴35名, 高度難聴41名だった。 79名のうち50名 (63%) が月齢1ヵ月以下で受診していた。 診断の平均月齢は61名 (77%) が月齢3ヵ月以下で診断された。 介入開始の平均月齢は74名のうち, 50名 (68%) が月齢6ヵ月以下で介入が開始された。 補聴器装用開始は68名のうち, 37名 (54%) が月齢6ヵ月以下で補聴器装用を開始した。 高・重度難聴は中等度難聴より有意に早く介入され, 補聴器装用を開始していた。 これらの結果より早期発見, 診断, 介入, 補聴器装用は適切に行われていると考えられた。 しかし中等度難聴では介入, 補聴器装用開始時期のさらなる検討が必要である。

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© 2015 日本聴覚医学会
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