AUDIOLOGY JAPAN
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「加齢に伴う聴覚障害」
難聴を主訴とした受診患者における年齢別聴力像の検討
―純音聴力検査と語音明瞭度の比較―
市島 龍佐々木 優子枝松 秀雄
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キーワード: 加齢, 純音聴力, 語音明瞭度
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2016 年 59 巻 2 号 p. 119-123

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抄録

要旨: 聴覚機能の加齢変化を, 難聴を主訴に受診し純音聴力検査と語音明瞭度を用い399耳 (男性201,女性198) について検討した。年齢は6歳から96歳 (平均54.3歳) で, 10歳毎の9群に分けて検討した。
 聴力閾値は40歳代から低下したが, 語音明瞭度は60歳代から低下し始めた。また, 各年代における聴力閾値のバラつきは, 若年群で大きく高齢化するほど小さくなった。語音明瞭度のバラツキは, 若年群で小さく高齢群になるほど大きくなる逆のパターンを示した。また, 各年代において語音明瞭度が50%以下の割合は, 10~60歳代までは10%以下であったが, 70歳代になると21.5%と増加し始め, 90歳代では61.1%となった。一方, 聴力閾値は80~90歳代の全例が 80dB未満で, 語音明瞭度と乖離した結果となった。
 聴覚機能の加齢変化には, 純音聴力検査と語音明瞭度の2つを併用して行うことが必要と考えられた。高齢者の難聴の振興には様々な因子が報告されているが, 今回の検討では有意な関連因子はみとめられなかった。

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© 2016 日本聴覚医学会
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