AUDIOLOGY JAPAN
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原著
比較選択法によるサウンドジェネレータ付き補聴器と補聴器単独の耳鳴に対する効果と評価法の問題点
神崎 仁泰地 秀信原田 竜彦
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2017 年 60 巻 1 号 p. 53-62

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抄録

要旨: 比較選択法によりサウンドジェネレータ付き補聴器 (コンビ) 群と補聴器単独群の耳鳴に対する効果を検討した。THI および耳鳴の大きさ, わずらわしさ, 生活への影響, ひどさを点数法で自己評価した。耳鳴の自覚的改善度は 5段階評価でおこなった。次ぎに両群における THI スコアを治療前より20以上減少する群と19以下の群とで改善度を比較した。感音難聴54例 (内46例は加齢性難聴) を対象とした。比較選択法によりコンビ43例, 単独群11例となった。両群とも治療前に比べ治療後に THI および耳鳴の自己評価は有意に改善した。しかし, 両群の間には有意差はみられなかった。今後より多数の症例による検討が必要である。治療前後の THI 差20以上と19以下の群に分けて改善度を検討したが両群に有意差はなかった。両群とも改善度が 「良くなった」 以上の例はコンビ群で64%, 単独群86%に見られ, 「少し良くなった」 例でも全例生活上問題がなくなっていた。

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© 2017 日本聴覚医学会
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