AUDIOLOGY JAPAN
Online ISSN : 1883-7301
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原著
人工内耳を装用する聴覚障害生徒の職業興味に関する検討
杉中 拓央齋藤 友介河野  淳白井 杏湖冨澤 文子野波 尚子塚原 清彰
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2017 年 60 巻 2 号 p. 129-135

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抄録

要旨: 本研究は人工内耳装用の聴覚障害生徒を対象として, キャリア心理学者 Holland の職業選択理論を背景とする VRT 検査と, 半構造化面接を組みあわせた混合法を用いることで, 彼らの将来展望, 職業興味について表象を得ることを目的とした。人工内耳装用生徒の職業興味は, 聴者の標準化データと比較して, 慣習的領域に対して支持が高く, 企業的領域に対して支持が低かった。また, ろう学校での教育を経験した群においては, 人に接する職業よりも物を扱う職業に対する指向性が認められた。さらに, 日本語の読み書き能力と研究的領域, 社会的領域に対する興味の間に相関を認めた。加えて, 半構造化面接の結果から, 職業興味の選択過程において, 聴覚障害の影響が認められた。

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© 2017 日本聴覚医学会
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