AUDIOLOGY JAPAN
Online ISSN : 1883-7301
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原著
口蓋裂児における滲出性中耳炎罹患率の継年的変化
前川 明日彩大石 直樹浅野 和海鈴木 法臣小島 敬史齊藤 秀行佐藤 美奈子小川 郁
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2017 年 60 巻 3 号 p. 184-189

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抄録

要旨: 1~6 歳の全ての年齢で滲出性中耳炎 (Otitis Media with Effusion, 以下 OME) 罹患の有無を確認できた60名 (男29名, 女31名) の口蓋裂児を対象とし, 裂型, 年齢の 2 つの要素を用いて, OME 罹患率との関係について検討を行った。さらに, 鼻咽腔閉鎖機能 (velopharyngeal closure function, 以下 VPC) 検査を 4~6 歳の全ての年齢で実施できた48名 (男21名, 女27名) の口蓋裂児を対象に, VPC と罹患率との関係についても調査を行った。口蓋裂児の OME 罹患率は 1 歳時から高率に認められ, 年齢と共に減少傾向が認められた。口蓋裂単独群と唇顎口蓋裂群の二群に分けた際も, 両群共に同様の傾向がみられた。6 歳時のみ, 唇顎口蓋裂児に比し, 口蓋裂単独児で統計学的に有意に罹患率が低いという結果が得られた。この結果より, 口蓋裂単独児は唇顎口蓋裂児に比し, 成長に伴い OME に罹患しづらくなると考えられた。発声時の VPC と OME 罹患率の間には関連性はみられなかった。

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© 2017 日本聴覚医学会
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