AUDIOLOGY JAPAN
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耳鳴の高さに関する自覚的評価とピッチ・マッチ検査成績との比較検討
大内 利昭國弘 幸伸小川 郁佐藤 彰芳神崎 仁
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1990 年 33 巻 6 号 p. 759-766

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抄録

無難聴性及び内耳性難聴に伴う耳鳴耳計115を対象として, 耳鳴の高さに関する自覚的評価とピッチ・マッチ検査成績との比較検討を行い以下の結果を得た。 1) 自覚的ピッチ感の頻度は約2/3が高音, 約1/3が低音であった。 2) 自覚的ピッチ感が高音であった耳鳴では同定された耳鳴周波数の80.0%が4kHz以上の高音域に存在したが, 自覚的ピッチ感が低音であった耳鳴の耳鳴周波数は全周波数域にほぼ均等に分布していた。 3) 自発的擬声語と耳鳴周波数帯域との関係を検討すると, 純音性擬声語の周波数特異性は比較的良好であったが, 純音・雑音性擬声語の周波数特異性は不良であった。 4) 自発的擬声語と耳鳴周波数同定音の種類 (純音・雑音性) 及び耳鳴周波数帯域との関係を検討し, 標準耳鳴検査法1984に提示されているそれとを比較すると, 17擬声語中8擬声語 (47.1%) で不一致が認められた。 そしてこの8擬声語中5擬声語では耳鳴周波数帯域の不一致が認められた。

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