1991 年 34 巻 1 号 p. 39-46
健聴児と感音難聴児を対象に, 語頭/s/の持続時間を変数とする [saku]-[taku]-[aku] の知覚における音韻的範疇化, および非連関刺激を付加した場合の音韻的範疇化への影響を検討した。 健聴児群では, いずれの音素でも100%に達するカテゴリー知覚を示し, 8歳児でも約13ms単位で変化する時間的手掛りを範疇的に処理できることが明らかにされた。 難聴児群は, 約13ms単位で変化する時間的手掛りを範疇的に処理できることを示したが, 健聴児8歳と比べても時間分解能が劣り, 外的に操作された予測性によって大きな影響を受けていることが認められた。