1991 年 34 巻 6 号 p. 786-791
Kemp製作のILO88を用いて, モルモットを対象にクリック音刺激によるe-OAEを測定し, フロセマイド静注後の変化を観察した。 e-OAEは, 測定24耳中20耳に認め左右耳差は少なかった。 また, フロセマイド30mg/kg投与後5-10分でe-OAEパワー (Total echo power及びHighest peak power) は, 最低値に達しその後回復した。 一方, フロセマイド50mg/kg投与後では, 過半数耳にe-OAEパワーは無反応の時期を認め, その後の回復傾向も遅かった。 以上の変化は, 文献上報告された蝸牛内静止電位 (EP) の変化に類似しており, EPがe-OAEの発生機構に何らかの関与をしているのではないかと推察した。