1991 年 34 巻 6 号 p. 798-804
本研究の目的は, 2頭のニホンザルの覚醒時ABR, MLR, SVRの特徴を検討することである。
その結果, ABRは7波まで認められ, 再現性の高かった1波から5波までの潜時はヒトの反応に近似していた。 MLRは潜時が約17から19msec間と約30から35msec間に2峰性の陽性ピークが出現した。 SVRは約50msecと100msecにピークが共通に認められた。 MLR, SVRともにヒトの波形の形態に類似していた。
以上の結果は, ニホンザルのABR, MLR, SVRは, ネコやモルモットなどの小動物よりもヒトの反応に類似しており, 臨床的なヒトのモデルとしての応用に期待できると考えられた。