3歳以上の幼児から成人までの359名を対象に, 絵指示による囁語法聴力検査と純音聴力検査の結果を比較検討し, 以下の結果を得た。
1) 2つの異なる周波数選択性を有する単語群を用いた精密囁語検査は, 3歳以上の幼児から成人まで適用でき, 1・2・4kHzの聴力レベルが, すべて30dB以下か否かの選別検査として, 極めて優れていた。
2) 囁語でも聴取しやすい単語群を用いた簡易囁語検査は, 3歳児健診対象児や, 言語発達遅滞児など傾聴態度が不安定な幼児に適しており, 言語発達に支障をきたす程度の難聴 (1・2・4kHzの平均聴力レベルが約40dB以上) か否かの選別検査として, 十分有効であった。