AUDIOLOGY JAPAN
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聴性誘発反応の瞬時スペクトル分析 MLR, SVRについて
江原 義郎市川 銀一郎芳川 洋
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1993 年 36 巻 4 号 p. 243-248

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抄録

瞬時スペクトル (時変型スペクトル) を用いて聴性中間反応 (MLR), 聴性頭頂部緩反応 (SVR) の分析を行った。 時変型スペクトルは信号の特徴を時間 (潜時) と周波数の関数として同時に捉えていく手法であり, MLR, SVRの構成周波数と反応成分の関係を明らかにすることができた。
MLRは, その構成周波数がほぼ40-60Hzに限局しており, スペクトルのピークが各反応潜時と一致するかたちで, エネルギーの時間変動を示していた。
SVRの優勢な帯域はほぼ3-7Hzであり, スペクトルのピークは各反応成分の潜時と一致していた。 特に10Hz以下の帯域成分の時間変動に注目すると, N1, P2, N2とより潜時の遅い反応成分になるに従って, 相対的に低域の周波数成分が優勢になる傾向がみられた。

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