AUDIOLOGY JAPAN
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NICU入院児の聴力スクリーニングについての検討
畠 史子田中 真理子北奥 恵之成尾 一彦松永 喬
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キーワード: 聴性誘発反応, 聴力障害
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1998 年 41 巻 3 号 p. 200-206

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抄録

NICUで管理されるハイリスク新生児の難聴の発生頻度は一般の頻度と比べ高率であるとされ, 早期発見のためにABR等を使った聴力スクリーニングを行っている施設が多い。1990-1995年の6年間に行った329名のABRについて検討した結果33名10.0%がABR異常で, その重要な因子は (1) 10日間以上の長期人工呼吸管理 (2) 脳障害 (3) 頭頸部奇形 (4) 奇形症候群 (5) PPHN (6) 妊娠中の非細菌感染 (7) 1,000g未満の超低出生体重の各因子であった。またこの6年間に初回ABRが正常であったのに, 後に高度難聴と診断された例が4例あり, うち3例は長期人工呼吸管理を受け, high frequency oxygenation (HFO) を使用されていた。また2例にはPPHNも合併していた。こういった後に発症した難聴も見逃さない方法として, NICUを退院した全員に1歳前後にCORを行う方法を提唱する。

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© 日本聴覚医学会
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