AUDIOLOGY JAPAN
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突発難聴で発症した橋, 小脳脚梗塞の一例
堀之内 謙一東野 哲也植木 義裕外山 勝浩小池 弥生小宗 静男
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1998 年 41 巻 4 号 p. 249-254

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抄録

椎骨脳底動脈系の梗塞が原因と考えられた突発難聴症例を経験した。基礎疾患として高血圧があり, ABRやcaloric testの異常所見とともに開脚歩行, よろめき歩行, 踵膝試験拙劣, 角膜反射減弱, 顔面感覚解離が認められたので, 緊急にMRI検査を行い, 橋から小脳脚にかけての梗塞と診断した。脳血管障害の危険因子を有する症例においては, その発症を念頭に置き, 突発難聴症例の診断にあたることが肝要である。その診断にはABR等の基本的な神経耳科学的検査を怠らず, 軽微な脳神経症状を見逃さないよう注意し, 早期にMRIを施行することが重要と考える。

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