2001 年 44 巻 6 号 p. 592-599
騒音性職業性難聴の進行状況, 特に年齢との関係について検討した。 1) 某金属鉱山の騒音下作業に従事する727人の聴力を測定し, 勤務年数と年齢との関係について検討した。 2) 耳科臨床において診断された, 既に退職した高齢の人を含む騒音性職業性難聴臨床例208例の聴力を年齢および騒音曝露年数との関係で検討した。 この二つの検討結果から次の結論が得られた。 騒音難聴は離職後もわずかずつ進行するが, その進行は年齢変化よりも小さく, 従ってそれは正常の年齢変化が加算されたものでは無い。