2001 年 44 巻 6 号 p. 600-603
NICU乳児に対する聴覚機能と言語発達について検討した。 全例に聴性脳幹反応検査を施行し, 幼児聴力検査にて経過観察を行い, 言語発達遅滞を疑う患児には新版K式発達検査を施行した。 高度難聴は0.4%, 軽度・中等度難聴は2.6%, 言語発達遅滞を8.6%に認めた。 ハイリスク児では難聴が高率に出現するといわれ, 難聴による言語や情緒の発達障害を防ぐ目的で聴覚スクリーニング検査を行っているが, 難聴の出現頻度より, 言語障害の出現率が高かった。 ハイリスク児のフォローアップには聴力と精神運動, 言語発達の総合的側面からのアプローチが必要で, リハビリテーション施設, 言語聴覚療法士, 小児精神科との連携が不可欠である。