AUDIOLOGY JAPAN
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当院における新生児聴覚スクリーニング後の精密検査
井上 理絵岡本 敦子大沼 幸恵原 由紀鈴木 恵子伊保 清子佐野 肇岡本 牧人
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2005 年 48 巻 2 号 p. 174-180

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抄録
新生児聴覚スクリーニングで要精査となり北里大学病院耳鼻咽喉科を受診し, ABRで閾値上昇が見られ, 言語聴覚士に依頼された乳児20例の精密検査の過程を分析し, 診断に至るまでに配慮すべき点を検討した。NICU児で well born 児と比べ, 確定診断までに長期間を要した。5例でABRや乳幼児聴力検査の閾値が改善し, 両者の結果が一致しない症例も認められた。スクリーニング後の精査において, ABR検査とともに乳幼児聴力検査を継続して実施することの重要性が示唆された。発達障害を合併し精査が長期化する場合は, 聴力検査と並行して発達支援を行った。発達支援は, 家族の適切な養育を支え不安を軽減するとともに, 乳幼児聴力検査で明確な反応を早期に得るためにも有効であることが示唆された。
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© 日本聴覚医学会
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