抄録
有線での直接接続が難しい拠点間の通信においては,無線通信にて拠点間接続を行うことが可能であるが,降雪地の冬季では悪天候時の伝送遅延や安定性が懸念される.一方,ミリ波を使用する機器では伝送速度・遅延共に有線LANに匹敵する性能で接続可能な比較的安価な製品が出てきている.教育研究活動においては,より高速広帯域の無線LANを利用できる環境が求められてきていることから,実際にキャンパス内の有線での直接接続が難しい施設をミリ波の中でも届出・免許不要で運用できる60GHz帯無線設備で接続し,利用者にキャンパス無線LAN接続環境を試験的に提供しながら,その実効性を検証し,降雪地の冬季においてもミリ波による拠点間通信をバックボーンに用いたキャンパス無線LAN環境の構築が可能であることを示した.