大阪物療大学紀要
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低線量肺がんCT検診の腫瘤検出能に対するフィルタ関数の影響
山口 功村松 禎久花井 耕造
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2016 年 4 巻 p. 9-14

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抄録

本邦の肺がんによる死亡数は男性、女性とも上位を占めている。その対策として低線量CT による肺がん検診は死亡率の低減に期待されている。しかし、本邦の肺がんCT 検診は低線量による撮影が十分に普及していない。その原因のひとつとして画質の劣化がある。本研究は、American College of Radiology (ACR)の規格線量で撮影した胸部ファントム画像に対してフィルタ関数を変更した画像の腫瘤検出試験よりフィルタ関数が腫瘤検出能に与える影響を明らかにする。 48 種類の胸部ファントム画像を対象に肺がんCT 検診認定技師(評価者)9 名による視覚評価を行った。低線量CT における腫瘤検出能とフィルタ関数の関係を検討するためCTDIvol が3 mGy 以下である管電流20 mA( 10 mAs)、50 mA(25 mAs)およびスライス厚2 mm、5 mm の24 種類(18 模擬腫瘤)の胸部ファントム画像の模擬腫瘤検出試験の結果を分析した。腫瘤検出能はフィルタ関数FC13、FC52、FC84 における感度、特異度を算出した。 評価者の平均感度は90.1%±4.4%、平均特異度は93.5%±8.6%であった。フィルタ関数FC13、FC52、FC84 の感度はそれぞれ96.3%、64.8%、98.1%であった。また、特異度はそれぞれ88.9%、94.4%、100%であった。FC52 に対してFC13、FC84 の感度は有意に高値を示した(p<0.01)。低線量肺がんCT 検診は画像ノイズを抑制するフィルタ関数を使用することで検出感度を向上することができる。

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