大阪物療大学紀要
Online ISSN : 2433-4758
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ERCPにおける簡易散乱線防護クロスによる被曝低減の検討
大槻 勇一朗田村 諒奥山 弘也今井 信也
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2018 年 6 巻 p. 39-42

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抄録

近年、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography:ERCP )は、造影後に内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(Endoscopic Nasobiliary Drainage:ENBD)や内視鏡的逆行性胆管ドレナージ(EndoscopicRetrograde Biliary Drainage:ERBD)などを行うため、透視時間が増加している。そのため、患者のみならず術者の被ばくも増加傾向にある。しかし、現状では散乱線防護クロスなどは高価であり普及には至っていない。本研究は、簡易な散乱線防護クロスを作成してERCP時の散乱線低減を目的とした。散乱線防護クロスの構成は籠状の補助具にハンガーでX線防護衣3枚を吊るした簡易的なもので、特徴は安価に作成できることである。作成した散乱線防護クロスの有無による空間線量率の変化と術者立ち位置の空間線量低減率について測定した結果、術者立ち位置での空間線量率は36.1μGy/minであり、散乱線防護クロスを使用した場合では1.2μGy/minとなった。散乱線の低減率は96.6%であり、散乱線防護クロスは被ばく低減に有用であることが示唆された。また、散乱線防護クロスの有無による空間線量率の変化をそれぞれカラーマップとして表示することは視覚的に散乱線の分布を評価するのに有用である。

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