2018 年 6 巻 p. 51-58
散乱X線は、画像コントラスト及び鮮鋭度の低下を起こす。そのため散乱線除去用グリッド(以下グリッド)が用いられてきた。後処理で散乱線除去をする手法としてGLG法(Single-Exposure Cascaded Grid-Less and GridX-ray Imaging System)がある。本研究では、モンテカロ法のPHITS(particle and heavy ion transport code system)コードを用いて、グリッドを含むX線撮影体系を構築し、シミュレーション時の線量分布と実測時の画像の相関関係を検討した。モンテカルロ法により仮想空間上にファントムおよびグリッドを構築し、グリッドの有無により線量分布を作成した。実測はX線撮影装置を用いてシミュレーション条件と同様に配置し撮影を行い線量分布と撮影画像の比較を行った。この結果、グリッドあり、なし共に実測値と近似した線量分布が得られた。