日本ベントス研究会連絡誌
Online ISSN : 1883-888X
JIBP-PF研究水域における底生動物の特性と生産
伊藤 猛夫
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1976 巻 (1976) 11-12 号 p. 1-12

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抄録

JIBP-PFの研究では、貧栄養湖として琵琶湖(塩津湾)、中栄養湖として日光湯ノ湖、富栄養湖として諏訪湖、非調和型水域として裏盤梯湖沼群(無機酸性湖、主研究水域:竜沼)と児島湖(人工淡水湖)、サケ・マスの遡上河川としてユーラップ川(北海道)、日本の典型的な河川として吉野川(奈良県)、さらにコイ・フナ・キンギョの養魚池を加えた8水域が研究対象として選ばれ、これらの水域ごとに研究グループが編成された。 JPFの研究目標はもとより群集生産の研究にあったが、各グループの研究目標は水域と群集の特性や人的構成などによってそれぞれの志向する特牢の重点にしぼられた。したがって、研究の重点をどこにおくかによって底生動物の扱いかたもおのずから異なり、その研究内容には水域によってかなりの精粗を生じた。また、JPFでは“栄養段階間の連関”の問題は“一次生産の研究”とともに各水域の必須の共通テーマとして取り上げられたが、この問題での底生動物の在り方にしても琵琶湖や諏訪湖のような水域と竜沼・湯ノ湖のような山間の小水域や小河川との問では大きい相違があり、後者での底生動物についての研究がより詳細にわたることになった。 JPFの底生動物についての研究成果は、以上のような次第で水域間でかなり不揃いになったのは己むを得ない成り行きであろう。したがって、成果をいろいろの角度から細かく比較考察しにくい面もある。これらのJPF成果のうち、湖と池の底生動物についてはささにJIBP Synthesis, Vol. 10 (Productivity of Communities in Japanese Inland Waters) co Concluding discussion のなかに要約し(Itô,1975),また河川も含めた底生動物の生産、とくに魚類との食物関係についてJIBPの最終シンポジウムで話題として述べたが(伊藤,1974),このたび、たまたま本研究会から機会を与えられたので、稿を改めてこれらを総活し、その後の海外の資料も加えて以下に紹介することにした。

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