日本ベントス学会誌
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天草, 倉江川におけるチゴガニ Ilyoplax pusilla (Crustacea: Ocypodidae) の個体群構造
高山 順子
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1996 年 1996 巻 50 号 p. 19-28

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抄録

1991年8月から1992年9月にかけて,天草上島,倉江川河口干潟に棲息するチゴガニの個体群構造を調べた.3.95mmより大きい成ガニの密度は,年間を通して約200/m2と安定していた.稚ガニは,7月から10月にかけて定着が見られ,8月にピークがあった.抱卵雌は4月から9月までみられ,7月の抱卵率が最も高かった.さらに,TSUTSUMI & TANAKA(1987,1994)より個体群構造のコホート解析を試みた.その結果,雌は成熟するまで雄よりも早く成長するが,その後は,雄の方が雌よりも成長が早くなることが明らかになった.また,雄ガニの寿命は約3年で生涯に3回の繁殖期を迎えるが,雌ガニの寿命は2年と数ヵ月で2回の繁殖期を迎えることがわかった.これらの個体群特性について,チゴガニの他個体群に関するこれまでの研究結果との比較を行った.

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