競技水泳選手には腰痛患者が多く, またL5/S1などの腰椎下部に椎間板変性を有している頻度が高い. そこで本研究では, まずクロール泳における腰部への変動的な負荷を水泳力学シミュレーションにより明らかにし, 水泳においては矢状面上の負荷が主であることを明らかにした. 次に変動的な負荷に対する, 矢状面二次元腰部筋骨格モデルを作成し, 腰椎挙動のシミュレーションを行い, 腰椎下部の変位振幅が大きくなる結果を得た. また体幹内部の筋の剛性を上げることにより腰椎下部の変位振幅を小さくできることを明らかにした. さらにX線シネ撮影装置を用いて陸上での腰椎挙動を測定する被験者実験を行い, シミュレーションの妥当性を確認した.