バイオメカニズム
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2部 姿勢と動きの探求
下肢疼痛アスリートの歩行キネティクスにおける逸脱度と左右差
松原 誠仁阿江 通良藤井 範久小池 関也
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2008 年 19 巻 p. 103-116

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抄録

本研究の目的は, アスリートにおける疼痛の有無と歩行キネティクスとの関係を逸脱度および左右差に着目して検討することである. 学生アスリート112名を, 疼痛の有無や部位にもとづいて, 非疼痛群, 腰痛群, 股関節疼痛群, 膝関節疼痛群および足関節疼痛群に分け, Zスコアを用いて歩行時の3次元下肢関節トルクの非疼痛群からの逸脱度や左右差を検討した. その結果, アスリートでは, 下肢に疼痛があると正常パターンからの逸脱や左右差がみられる部位があったこと, 左右肢間あるいは関節間で代償作用と考えられる現象がみられた. このことから, アスリートにおける障害発生の予測や予防には, 疼痛, 正常歩行動作パターンからの逸脱度, 左右差などを検討することが役立つという基礎的知見が得られた.

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© 2008 バイオメカニズム学会
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