下肢筋の強い痙縮により, はさみ歩行やつま先歩行を呈する脳性麻痺児2名 (CP1, CP2) に対して選択的筋解離術を行い, その術前・術後での歩容を3次元動作解析システムで計測し, 手術治療の効果がどの関節運動に現れるかを分析した. 症例CP1では足関節底屈筋の痙縮が強く, 手術後に足関節背屈可動域が増大した. 下肢関節全体のばらつきが減少し, 関節モーメント波形も健常小児に近づいた. 症例CP2では, 左脚の膝関節屈曲筋と足関節底屈筋の筋力低下を推測させる膝関節過伸展, 足関節底屈モーメントの減少が見られた.