バイオメカニズム
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2部 姿勢と動きの探求
野球投球における投球数と動作キネティクスとの関係
平山 大作藤井 範久阿江 通良小池 関也
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2008 年 19 巻 p. 91-102

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抄録

本研究は, 大学野球投手を対象とし, 投球数の増加にともなうキネティクスの変化について検討することを目的とした. 実験試技は, 2台のフォースプラットフォームを埋設した簡易マウンドからストレートを投球するものであった. 被験者には, 10秒間隔で15球投げることを1イニングとし, イニング間に6分の休息をはさみながら9イニング, 計135球の投球を行わせた. 投球数とそれぞれのパラメータから単回帰分析を行い, 回帰係数の有意性について検定を行った (p<0.05). その結果, 投球数の増加にともない, ①踏込脚の股関節伸展の正仕事, 負仕事, 絶対仕事が減少する傾向がみられた. ②投球腕の肩関節内旋の正仕事が減少する傾向がみられた. ③投球腕への関節力による力学的エネルギーの流れの減少がみられた. ④投球腕の肩関節水平内転の正仕事および絶対仕事が増加する傾向がみられた. 以上のことから, 踏込脚の股関節伸展の仕事の減少は, 下肢のトレーニングの重要性を示唆するものであり, 投球腕の肩関節水平内転の仕事の増加は, “上肢動作に頼った投球動作” を示すものであると考えられる.

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© 2008 バイオメカニズム学会
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