嚥下感覚は 「食」 を楽しむ要素の1つと考えられているが, 嚥下感覚は主観的要素が強く, 工学的検証は不十分であった. そこで, 本研究では嚥下音や筋活動計測から嚥下活動と嚥下感覚の関係をモデル化することを目的とした. 本稿では, 嚥下試料として炭酸水を用い, 炭酸強度を変化させながら, 嚥下中の嚥下音および筋電を計測することで, 炭酸強度と嚥下活動の関係を解析した. その結果, 炭酸強度によって, 嚥下音ハイパワー部面積, 嚥下音発生時間と筋電の活動時間に統計的有意差が確認された. さらに, 刺激強度, 嚥下方法, 嚥下感覚のモデル化を行い, 炭酸強度に対して嚥下感覚は上に凸の特性を持つことが示唆された.