2016 年 23 巻 p. 11-19
弾性床サーフェスは加える力の大きさにより変形するため, 通常の床に比べて不安定であり, 身体を安定させて着地するためには変形する床面に対応した動きをすることが必要であると考えられる. 本研究では, 弾性床へのドロップ着地動作を行い, 下肢の各関節の役割について検討した. その結果, 接地から身体重心の最下点までの局面 (Absorb期) では, 弾性床の変化に対して足関節よりも膝関節と股関節を大きく動かして緩衝していること, そしてそれ以降の局面 (Stabilize期) では, 弾性床の変化に対して足関節を動かしていること, また足関節が床の振動に対応して動いていたことが明らかになった. このように緩衝性や安定性に対して各関節の機能が異なり, 弾性床上の着地では特有の着地動作方略を用いることが示唆された.